Japanese Translation of EVOLUTION NEWS & SCIENCE TODAY

https://evolutionnews.org/ の記事を日本語に翻訳します。

ジェームズ・ツアーはリー・クローニンの研究が生命の起源とは無関係であることを暴露する

This is the Japanese translation of this site.

 

ブライアン・ミラー
2023/2/16 1:38

 

私は前回の記事で、ライス大学の合成化学者であるジェームズ・ツアーの生命の起源についてのビデオシリーズの第2シーズンについて要約しました。ここでは、ツアーの同僚である合成化学者リー・クローニンに対して、クローニンが自分と他の研究者による生命の起源の謎の解明における進歩を一貫して誇張していることを詳述している彼の回答を展開しましょう。以下の第1部から第3部までをご覧ください。

 

自己触媒の誇大広告

生命の起源に関する理論に共通するテーマの中心には、反応の自己触媒セットと呼ばれるものがあります。このセットでは、相互接続された反応ネットワークにおいて、ある反応の生成物がもう一つの反応を触媒し、その生成物がもう一つの反応を触媒します。理論家たちは、このような反応セットが、原始の細胞内の初期の代謝に進化した可能性があると期待しています。クローニンはインタビューの中で、自己触媒するモリブデンベースの原子クラスターのセットについての研究を説明し、初期の地球でこれに相当する化学が自律的な細胞に向かって進化した可能性を示す証拠になると示唆しました。彼の実験における反応セットは、太古の地球で起こり得たものとは似ても似つかないため、「ナンセンスの塊」だとツアーは述べました。

 

クローニンの自己触媒ネットワークは、注意深く制御された実験室環境でのみ存在し、その反応は、細胞代謝や生命に関連するいかなる過程にも類似していません。一般に、有機的な自己触媒ネットワークは、開始と持続に慎重なエンジニアリングを必要とし、自己触媒ネットワークに基づく起源の理論は、システムをクラッシュさせる副反応などの克服しがたいハードルに直面しています。

リボースはどこだ?

次のインタビュークリップで、クローニンはもう一つの実験で、ヌクレオチド内の糖であるリボースの生成に必要な化学反応を「操縦」して、余計な分子を減らすことができたと主張しました。ツアーは、クローニンが発表した論文では溶液中で析出しない生成物だけを吟味したために、彼が余計な分子の数を減らしたと思い込んでいたことを強調しました。クローニンが研究した溶液でさえ、膨大な数の汚染分子を含んでいました。その多くはリボースと同じ原子で構成されているものの、配置は異なっていました。

 

リボースの濃度はあまりにも低く、どんな自然な過程によっても他の分子から分離できないので、この実験の生成物は生命の起源の一助にはなり得ません。リボース分子が他の必要な分子と結合してヌクレオチド (核酸塩基とリン酸塩) を形成することは、あったとしても極めてまれでしょう。そのような微小な濃度で形成されたヌクレオチドは、細胞が発達するのに役立つ十分な長さのRNA鎖に連結することはできませんし、もしRNAが形成されたとしても、すぐに分解されるでしょう (こちらこちら)。

熱を上げる

クローニンは、アミノ酸を鎖状につなげた実験についても記述し、初期の地球でアミノ酸がつながってタンパク質になることの妥当性を実証したと断言しました。ツアーは、クローニンがまたもや自分の成果を大いに誇張していることを示しました。彼の実験は、初期の地球では起こり得なかった純度と濃度のホモキラルアミノ酸から始まりました。さらに、アミノ酸を小さな鎖につなげるために、130℃ (華氏266度) の高温で15時間も加熱しなければなりませんでした。とはいえ、そのような高温では生命の構成要素の大半がすぐに分解されてしまうため (こちらこちら)、生命への他のあらゆる進展が失われるでしょう。同じくらい問題なのは、生成された鎖が非常に多くの誤った結合を含み、しかも非常に小さいため、生物学的に役に立たないことです。

 

ツアーは、クローニンの論文をあるペプチド化学者に送り、クローニンの実験が、プレバイオティクス環境においてアミノ酸がどのようにタンパク質に形成されたかを説明することとは無関係であるという結論を確認しました。彼の友人は、この実験は「化学的には面白いが、何の実用性もない」と答えました。クローニンが自分の研究を称えたのは、まったくの誇大広告でした。

油性の原始細胞

究極的な虚勢を張って、クローニンは別の実験で原始細胞の形成と複製を実証したと主張しました。以下が彼の正確な言葉です。

 

ここで一つ言えるのは、私たちは触媒作用を分子と組み合わせて、細胞に似ており、細胞の複製に至らせる物質を作れることを示せたのです。・・・つまり私たちが示したのは、情報が無く、DNAを必要とせず、遺伝学を必要とせず、複雑な機械もなしに、自然に娘細胞を作る過程です。遺伝子より前に複製が得られたのです。

 

ツアーは、油滴を実際の細胞、あるいは細胞膜とも比較し、油滴の分裂を細胞の複製と同一視することが、全くの不条理であることを強調しました。彼は、油滴を形成し、分裂を促すために必要な実験条件や非常に複雑な化学プロトコルが、研究者の莫大な制御のもとにあることも詳述しました。この実験は生命の起源とは無関係であるだけでなく、最先端の実験装置と高度な訓練を受けた化学者がいなければ、その化学反応は起こり得ません。ツアーは、クローニンが自分の研究と生命の起源との関連性を一貫して誤り伝えているのは、彼が有機化学について何も知らないことの帰結であると提言し、その欠陥はクローニンも認めています