リー・クローニンに困惑しているのは私だけではないようです - Japanese Translation of EVOLUTION NEWS & SCIENCE TODAY

This is the Japanese translation of this site.

トヴァ・フォアマン
2023/10/19 12:41

ジェームズ・ツアー博士による、生命の起源を研究する10人の一流の科学者への60日間の挑戦が今度の月曜日に終了するときが近づいていますが、「生命はどのようにして非生命から進化したのか？」という質問に答えて、どんな素晴らしいコメントが現れるのでしょうか？その挑戦を、デイヴィッド・クリンホファーが以下のように要約しています。「条件は、彼らのうちの誰かが、生命の起源の謎を解くのに関連する5つの質問のうち1つでも答えることができれば、ツアー教授はOOLについて口を閉ざし、この論題について公開した資料をすべて取り下げることを約束する、というものです」。リー・クローニン教授は10人のうちの1人です。彼は先日Xでこのように言いました。

If the origin of life is the origin of evolution & nothing comes before life then we are indeed stuck. I don’t think we need to be. Let’s shed the dogma, ego, & closed minds & ask the question clearly. How do we detect the onset of evolution BEFORE biology?
— Prof. Lee Cronin (@leecronin) October 16, 2023

(もし生命の起源が進化の起源であり、生命以前からは何も出てこないのであれば、私たちは確かに行き詰まっています。私はそうならざるを得ないとは思いません。ドグマ、エゴ、閉ざされた心を捨てて、はっきり問いかけましょう。生物学以前の進化の始まりをどのように検出しましょうか？)

読心術者ではない

どちらかと言えば私は、クローニンと他の9人がツアー博士への回答として何を提示するのかに興味があります。おそらく、彼らはすでに水面下でこの挑戦を突破しており、ツアーは月曜日に敗北を認めざるを得なくなるのでしょう。しかし、クローニンのコメントを解釈しようとしたときには苦労しました。私自身はOOLの専門家ではありません。読心術者でもありません。おそらくクローニン博士の発言は、ツアー以外の対話相手―『Nature』でサラ・ウォーカーと共著した彼の新しい論文に現在異議を唱えている科学者たちのような―への返答を意図したものだったのでしょう。フィリップ・ボールが『Chemistry World』でコメントしている通りです。

この論文は、アセンブリ理論 (AT) と呼ばれるアイディアが「選択と進化を説明する」と主張している。これは、ソーシャルメディア上で科学者たちからの騒々しい反応を引き起こした。その多くは怒りの声で、ある者は困惑している。そして、『Nature』のサイトのオンライン「コメント」欄では、異例の活発な討論が繰り広げられた。特に進化生物学者たちは憤りを表明し、この論文はナンセンスであり、創造論のトロイの木馬であるとまで非難している。

なぜかを理解するのは難しくない。要旨の最初の一文からして、この論文は著者たちが生物学の根本的な問題を突破したとほのめかしているようだ。『科学者たちは、生物学的進化と物理学が定義する宇宙の不変の法則を調和させることに取り組んできた』。いや、そんなことはしていない、と生物学者たちは返答する。両者の間にはわずかな矛盾も見つかっておらず、そうでないと示唆することは、インテリジェントデザインへの扉を開くことになる。

どうやら、「困惑」している人は私と良い仲間になれそうです。そこでクローニンの最近のツイートに話を戻しましょう。

餌に釣られる

鏡による錯覚のいたずらをご存知でしょうか。皿の中に何か物体が置いてあり、取り上げられそうに見えるのに、手を伸ばしてもそこには何もありません。彼のツイートで約束された明瞭性を見出そうとするのは、餌に手を伸ばしても何も見つからないようなものでした。

同僚の物理学者のブライアン・ミラーが、クローニンの論議を言い換えるのを助けてくれました。「生命が自発的に発生し、それから進化することを想像するのは、ありえないことのように思える。むしろ、細胞が形成されて繁殖できるようになるずっと前に、もっと単純な化学物質の混合物が自分自身を複製し、それが細胞へと進化できるようになったのだ」。これを三段論法（論理構造）に還元すると、クローニンは、「すべての生命は変化を受ける、いくつかの変化は非生物学的である、したがって生命とその起源も非生物学的でありうる」と言っていることになります。どうやら、非生物学的な化学変化の証拠を見つけることが、OOLを説明するのに役立つようです。

しかし、彼の論理は、特にツアーの挑戦を考慮すると、欠陥があるように思えます。

私があなたに、「最初の音楽のサウンドトラックはどのように発生したのでしょうか？」と尋ねたとしましょう。「あなたのエゴと明瞭性の欠如は少し行き過ぎです。音符は映画よりも前に存在していたことを思い出すことが鍵になります。単純な音符の集合が自発的に形成され、その音符がランダムに変化して音楽サウンドトラックになったのです」とは答えないでください。クローニンの推論は同じ論理構造に従っており、同じように混乱しています。

チェスをしましょうか？

彼のツイートについて、もう1つの奇妙な点が私には印象的です。(ツアーからであれ、他の科学者からであれ) ある挑戦に対して、それを変更することで応えるというのは、公正とはとても思えません。もしあなたの友人が「チェスの勝負をしたい？」と言ったとしたら、このように答えることはできないでしょう。「チェスは大好きで、いつも勝つんだ。でも、もしよければ、駒をトランプに変えて、クリベッジボードを使おうか」。ツアーは5つの挑戦的な質問を詳述しましたが、クローニンの再定式化とツアーの質問の関係は、クリベッジとチェスの関係に似ているように見えます。クローニンは、複製能力を持つ単純な化学混合物が自発的に形成され、それが現代の細胞へと進化したと仮定しています。問題は、アミノ酸がタンパク質鎖に、あるいはヌクレオチドがRNAやDNAに形成されることこそが、ツアーが専門家に説明するように挑戦した問題であることです。

クローニンのツイートにおける不健全な論理、人身攻撃、ゴールポストのすり替えは、人が教授に期待すべきものとは到底思えません。しかし、まだ数日残っていますし、彼はいつでも別のツイートで関連する化学反応式を補足することができます。

ちなみに、2021年にもクローニンはこんなツイートをしています。