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ケイシー・ラスキン
2023/5/19 16:09
最近、インテリジェントデザイン (ID) に友好的な人から電子メールで、カンブリア爆発についてのIDの論議への一般的な反論にどう返答したらよいかという問い合わせがありました。 彼の対話相手は、あらゆる種類の相反する「なんでもやってみてうまくいくかどうかを見る」反論をしていましたが、それらは単に事実として不正確であり、主流派の科学専門家から間違っていることが示されています。
スティーブン・メイヤーは『Darwin’s Doubt』において、科学文献に裏打ちされた論議を徹底的に調査しつつ、これらの点を詳しく取り上げています。これにより、彼の論議を擁護することは非常に容易になり、ここ『Evolution News』でも数多くの記事でそうしてきました。私たちの友人の対話相手による以下の指摘は過度に単純化されており、カンブリア紀の指導的な専門家が本当に考えていることの反映ではありません。しかし、それらは非常に一般的な反論なので、カンブリア爆発についての一般的な誤解に対処する助けとなるように、このFAQをまとめました。
主張: 「カンブリア爆発は地質学的に短い出来事ではなく、実際には数百万年かかった。」
主張: 「カンブリア紀以前にも複雑な動物が生息していたのだから、カンブリア紀に多くの動物のタイプの起源があるのではない。」
スティーブ・メイヤーは、『Darwin’s Doubt』の2、3、4章で、この論題を広範囲にわたって取り上げており、彼の著書の図2.5は、カンブリア紀より前に動物の門が正確にいくつ存在し、カンブリア爆発がどれほど爆発的なものであったかについて、徹底的に調査し、控えめに論じたものです。結論は?先カンブリア時代に生じた動物の門はせいぜい3つだけで、カンブリア紀に生じたのは20ほどです。しかし、先カンブリア時代の動物化石 (特に左右相称動物) についての多くの主張に伴う問題からすると、カンブリア紀はおそらくそれ以上に爆発的です。詳細は以下をご覧ください。
- 「Let’s Help ‘Professor Dave’ Understand the Precambrian」
- 「Was Kimberella a Precambrian Mollusk?」
- 「On the Cambrian Explosion, Keith Miller’s BioLogos White Paper Falls Short」
主張: 「カンブリア爆発は不完全な化石記録の産物である。なぜなら、カンブリア紀には軟体化石の保存を可能にするような化石堆積層がより多く存在するが、先カンブリア紀には存在しないからである。」
これについて私は、上記の最後のリンクで取り上げ、スティーブン・メイヤーが『Darwin’s Doubt』の中で次のように書いているのを引用しました。
グラハム・バッドとセーレン・イェンセンが述べているように、「既知の (先カンブリア時代/カンブリア紀の) 化石記録は誤解されておらず、カンブリア紀の始まり (約5億4300万年前) の直前までの化石記録からは、それよりも古い豊富な堆積物から見つかるはずなのに、説得力のある左右相称動物の候補は知られていない」。それゆえ、彼らはこう結論している。「左右相称動物の進化史の深部において期待された、彼らの漸進的な発達を潜在的に示し、先カンブリア時代まで何億年も引き延ばされるダーウィン的パターンは、奇妙なことに具現化に失敗した」。
主張: 「カンブリア爆発は化石記録の産物である。なぜなら、気候または海洋の化学変化によって、地質学的に言えば、生命の急速な多様化が可能になったからである。」
第1に、カンブリア爆発で生じた動物には、たくさんの新しい遺伝情報が必要だったことを理解する必要があります。以下をご覧ください。
- 「Groundbreaking Paper Shows Thousands of New Genes Needed for the Origin of Animals」
- 「Scientific Paper Reaffirms New Genes Required for Cambrian Explosion」
- 「Did the Origin of Animals Require New Genes?」
第2に、カンブリア爆発に必要な情報の起源は、気候/海洋の化学変化では説明できないことを理解する必要があります。この論議は非常に一般的ですが、持ちこたえられそうにありません。私たちはこれを何度も取り上げてきたので、すべての箇所を見つけるのは大変です!しかし、ここでいくつかご紹介しましょう。
- 「As an Explanation of the Cambrian Explosion, the Oxygen Theory Takes a Lethal Blow」
- 「Sick of the Oxygen Theory of the Cambrian Explosion? Here’s the Cancer Theory」
- 「So Explaining the Cambrian Explosion Is All About the Oxygen, Is It?」
- 「Cambrian Animals? Just Add Oxygen」
- 「ABC News Says ‘Darwin’s Dilemma May Be Solved’: What, Again?」
- 「Low Oxygen Suffocates Darwinian Explanations for the Cambrian Explosion」
- 「Explaining Life’s ‘Great Leap Forward’: Now It’s Nitrogen」
- 「Here’s a Bubble That’s Ready to Burst: Oxygen as an Explanation for the Cambrian Explosion」
- 「Jerry Coyne Notwithstanding, as an ‘Explanation’ for the Rise of Complex Animal Life, Oxygen Is Now Eliminated from the Running」
- 「To Create Cambrian Animals, Whack the Earth from Space」
- 「Teamwork: New York Times and Science Magazine Seek to Rebut Darwin’s Doubt」
- 「Did the Early Oceans Contain Oxygen?」
- 「Does Lots of Sediment in the Ocean Solve the ‘Mystery’ of the Cambrian Explosion?」
主張:「カンブリア爆発は実際の出来事ではなく、動物が突然出現したかのように見せている多くの要因の組み合わせを反映しているが、現実には起こらなかったのである。」
この主張は真実ではなく、カンブリア紀の古生物学と純古生物学の多くの権威によって否定されています。
- 「Erwin and Valentine’s The Cambrian Explosion Affirms Major Points in Darwin’s Doubt: The Cambrian Enigma Is ‘Unresolved’」
- 「Untangling “Professor Dave’s” Confusion about the Cambrian Explosion」
- 「Darwin Defenders Love Donald Prothero’s Ranting Review of Darwin’s Doubt」
このささやかなFAQを、プリンストン大学出版局の本にある、オランダの生物学者マーティン・シェフェールによるカンブリア爆発の現実性についての引用で閉じることにしましょう。
エディアカラ動物群の崩壊に続いて、カンブリア爆発として知られる新規の生命形態の華々しい放散が起こった。我々が現在知っている主要なボディプランはすべて、わずか約1000万年の間に進化した。この爆発的な多様性の出現は、人為的なものだと考えられてきたかもしれない。例えば、それ以前の岩石は化石を保存するのに適していなかったのかもしれない。しかし、非常によく保存された化石がそれ以前の時代から確かに存在しており、カンブリア爆発は現実のことだったと今は一般的に受け入れられている。
― マーティン・シェフェール、『CRITICAL TRANSITIONS IN NATURE AND SOCIETY』 (プリンストン大学出版局、2009年)、169-170ページ。
もちろん、カンブリア爆発に関するメイヤーの論議への反論は他にもあり得ますし、それらもどこかで取り上げたことがあるでしょう。しかし、これらはとりわけ一般的な反論であり、このささやかなFAQがそれらに回答するのに役立つことを願っています!