Japanese Translation of EVOLUTION NEWS & SCIENCE TODAY

https://evolutionnews.org/ の記事を日本語に翻訳します。

メイヤー、ロビンソン: そうです、理性と唯物論は切り離せます

This is the Japanese translation of this site.

 

デイヴィッド・クリンホファー

2021/4/7 13:34

 

科学哲学者のスティーブン・メイヤーは、スタンフォード大学フーバー研究所のピーター・ロビンソンと、メイヤーの新刊『Return of the God Hypothesis: Three Scientific Discoveries That Reveal the Mind Behind the Universe (English Edition)』について、非常に思慮に富む興味深い会話を交わしました。ロビンソンは『Uncommon Knowledge』という番組のホストを務めています。彼が指摘するように、サブタイトルにある3つの発見がこの本の議論の中心ですが、『Return of the God Hypothesis』は、現代科学の勃興と、それが生まれたユダヤ・キリスト教の有神論から、異質な世界観である唯物論への転換というストーリーの中で論拠を構成しています。

悪夢への目覚め?

後者においては、天文学者のロバート・ジャストローが述べたように、宗教観は「悪夢」です。しかしジャストローは、科学はある意味でその悪夢に追いついただけだと認めています。

 

この本の背後にある大きな疑問は、世界観が客観的に検証できるのかということです。興味深いことにメイヤーは、現代の無神論者の科学者たち (リチャード・ドーキンスなど) と同様に、「形而上学的な仮説」は科学の道具を使って検証できるということに同意しています。ここでメイヤーはこう言っています。

 

形而上学的な仮説は、科学的な仮説とまったく同じように、その仮説の方法で検証可能です。形而上学的な仮説や世界観の価値は、私たちの周りの世界が、もしその仮説が真実だったらこうなるだろうという予想と一致しているかどうかを見ることにより判断できます。

 

さらに、

 

「宇宙には始まりがある」「宇宙は最初から微細に調整されている」「生物圏には最初から情報のバーストが存在している」という3つの大きな発見を見てみると、有神論は、私たちの生物学的・宇宙論的な起源に関する重要な事実の集合体を、他の主な競合する世界観よりもうまく説明しているのです。

支配的な物語の解除

しかし、ロビンソンは重要な疑問を投げかけています。もしメイヤーが正しく、有神論 (聖書直解主義ではない) が現代の最高の科学によって支持されている (証明されてはいない) としたら、なぜ自分を理性的だと思っている多くの人たちが、それをジャストローの「悪夢」と見なしているのでしょうか?

 

 

その答えは、私たちが自分自身をどのように見ているか、つまりセルフイメージと関係しています。私たちが高校時代に身につけた強力な世俗的な物語の中では、理性と唯物論は結びつけられており、切り離すことはできません。ロビンソンは、ミラー・ユーリー実験によってどのように生命の起源の謎がほぼすべて解明され、厳密に無誘導の唯物論的見地から巧妙に説明されたかを生物の授業で聞いたことで、このような現実の描像に引き込まれたことを思い出します。しかしメイヤーによると、このような物語は解除することができます。

 

理性と科学の理解を有神論的な枠組みの中で再構築するのは完全に正当なことです。なぜなら、それは (科学史の) 初期には非常に実りあるものだったし、個人の生活において、また究極の意味や目的について考えるときだけでなく、科学そのものにとっても実りあるものになるからです。

 

ピーター・ロビンソンとスティーブ・メイヤーの素晴らしい対談をお楽しみください。先週、メイヤーがカリフォルニア大学サンディエゴ校の物理学者ブライアン・キーティングと行った、やはり『Return of the God Hypothesis』についての対談とは全く異なるものですが、同じくらい啓発的な内容となっています。