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デイヴィッド・クリンホファー
2022/6/21 9:40
私たちの文化には、ある強迫的な衝動を見出すことができます。それは、私たちは宇宙の中で特別な位置を占め、私たちを超える知性によって配慮され、予期されていた存在であるという伝統的な考えをけなし、人間を貶めるというものです。この衝動はさまざまな形を取ります。それには私たちの生物学的デザインや、宇宙論的デザインを否定することが含まれます。人間でない動物を道徳的、法律的に人間と同等に扱うことも含まれます。そして、男女を進化の平凡な事故であるとする、醜悪で、しかしなぜか強力に魅惑的な唯物論的描像を描きます。
コンピュータエンジニアのロバート・J・マークスは、本日発表した新著『Non-Computable You: What You Do that Artificial Intelligence Never Will』で、この強迫観念の現代における主要な要素を吟味しています。それは、人工知能 (AI) が、まだそうなっていないとしても、人間の知能を追い越し、人間の能力をはるかに超える高速計算 (ずっと昔に達成されています) だけでなく、意識、感情、自由意志、創造性といった人間であることを意味するものの頂点をなすことも成し遂げる運命にあるという神話です。
神としての人間
Discovery Instituteのブラッドリー自然・人工知能センターを率いるマークス博士は、30年にわたりAIを研究してきた経験から、その威力を十分に分かっています。しかし彼は、なぜAIが意識を持ち、感情を持ち、自由意志を行使し、創造的になることがないのかを説明しています。マークスは、人間が「恐ろしいほどに素晴らしく造られて」いる (139:14) と述べる詩篇の一節を引用しています。私たちのデザインに反映されているこの畏怖や驚異を否定することへの強迫観念が、本書における彼の究極の標的です。
AIに関する誇大広告は、まったく新しいものではありません。すでに1950年代には『New York Times』が、AIは「歩き、話し、見、書き、自己複製し、自身の存在を意識するようになるだろう」と自信を持って予測していました。最近では、イーロン・マスク、スティーブン・ホーキング、ビル・ゲイツといった科学界や経済界のスターたちが、AIが人間に取って代わる、あるいは私たちを滅ぼすことを企てるかもしれないと警告してきました。また、教祖的存在であるユヴァル・ノア・ハラリに代表される別の過大評価の一線では、人間とAIが融合し、人間が神として進化する、ハラリがホモ・デウスと呼ぶものが期待されています。
それは決して止まらない
つい数日前、グーグルのエンジニアが、あるAIチャットボットが彼に、それが「生命を得る」に至り「魂」を持っていることを明かしたと暴露しました。そして、これは真剣に受け止められています。別のGoogleのエンジニアは、『The Economist』に「人工神経ネットワークは意識に向かって進歩している」と伝えました。
本当でしょうか？ロバート・マークスは誇大広告を解体し、コンピューティング、つまりアルゴリズムを実行することが、どんなに速くても、人間の精神が行うこととは根本的に異なるものであることを説明しています。計算機は膨大な量の情報を保存し、分類しますが、生命のクオリアを経験することは今も昔もありません。AIができるのは模倣であり、それはまったく異なることです。マークスは、レモンをかじるという単純な例を挙げています。それをアルゴリズムで捉えられるソフトウェアエンジニアは、エンジニア自身がいつでも振り返ってレモンをかじり、それを瞬時に体験することができるとしても、存在しないでしょう。
このギャップは埋められません。『Non-Computable You』は、この分野で著名で幅広い出版実績を持つ権威により、なぜこのギャップが埋まらないのかについて、わかりやすくウィットに富む賢明な説明を提供しています。マークスが結論しているように、「計算不可能なあなたは、恐ろしいほどに素晴らしく造られている」のです。私たちは、ブラッドリー・センターの同僚とともに、この重要な本について、数日のうちにさらに語るつもりです。
