Japanese Translation of EVOLUTION NEWS & SCIENCE TODAY

https://evolutionnews.org/ の記事を日本語に翻訳します。

「デイブ教授」のファクトチェック: 「ダーウィニズム」という用語は本当に「創造論者」だけが使っているのか?

This is the Japanese translation of this site.

 

ギュンター・ベヒリー
2022/5/27 6:45

 

「ダーウィニズム」は死語なのでしょうか?無神論者のYouTuberであるデイブ・ファリーナは、インテリジェントデザインを攻撃する最近のビデオでそう言っています。以前に書いたように、ファリーナのインテリジェントデザインに対する攻撃は、誤った情報やステレオタイプを再利用しているに過ぎません。「ダーウィニズム」についてのこの主張は、その良い例です。ファリーナは、「ダーウィニズム」という用語はもはや現代の科学者には使われておらず、「創造論者」だけが使っていると主張しています。

 

これは、進化生物学の分野で働いていない反ID活動家の間でよく見られる言い回しです。私は、ジョシュア・スワミダスとの討論で同じ主張を打倒しなければなりませんでした (『Unbelievable?』、2021年)。スワミダスと同様、ファリーナもこの根拠のない断定についての科学的証拠を提示しません。もちろん、彼がそうしないのは、事実からして正しくないので、できないからです。

査読済みの証拠

このナンセンスはインテリジェントデザインを議論するインターネット・フォーラムでしばしば見られるので、私はここで、この点をきっぱりと否定するために、査読済みの科学的証拠を提供します。

 

マイケル・ルース (1982年) は『Darwinism defended』というタイトルの反ID本を編集しましたし、ルース (2015年) は国際的な百科事典に「ダーウィニズム」という項目を執筆しました。ここで彼は、ダーウィニズムを「自然選択による進化の理論」と定義しました。進化の現代統合説の共同創始者であるエルンスト・マイヤー (1984年) は、「What Is Darwinism Today?」と問いかけました。進化生物学者スティーブン・ジェイ・グールド (1984年) は、タナー講義で「Challenges to Neo-Darwinism」を披露しました。無神論者でダーウィン理論の普及者としても有名なリチャード・ドーキンスは、「ダーウィニズム」が時代遅れであるとは全く考えず、むしろ「普遍的ダーウィニズム」と名付けた万物の一般理論に格上げしました (ドーキンス、1985年)。その約18年後、ドーキンスは全体が「ネオダーウィニズム」についての講義を行いました (ドーキンス、2013年)。フランシスコ・アヤラ他 (2002年) は、「ネオダーウィニズムと感染症の伝染」について討論しました。アーバー (2008年) はコンピュータモデリングを用いて、「Molecular mechanisms driving Darwinian evolution」を探求しました。ドリール (2009年) は、多元的な「ネオダーウィニズムの適切な基礎」を提案しました。進化論者の生物哲学者デイヴィッド・ハル (2011年) は、彼自身を「ダーウィニズムを定義する」者として、まさにこの問いに特化した雑誌の特集号で示しました。ブルックス (2011年) は同じ号で「ネオダーウィニズムはどれほどダーウィン的なのか」と問いかけ、デピュー (2011年) は「ダーウィニズムの将来」について思案しました。カンプーラキスとグリピオティス (2015年) は、『Perspectives in Science』に「コンテクストにおけるダーウィニズム」について書きました。デニス・ノーブル (2015年) は「ネオ・ダーウィニズムを超えた進化」について書きました。科学哲学者のジェイミー・ミルトン・フリーストーン (2021年) は、「Contemporary Darwinism as a worldview」に注目しました。ハンコック他 (2021年) は、権威ある雑誌『Evolution』に研究を発表し、その要旨で「現代統合説 (あるいは「ネオダーウィニズム」) は、・・・進化論の基盤であり続けている。・・・ネオダーウィニズムは健在である」と結論しました。さらに最近でも、ブラウンとハレンダー (2022年) は、「Neo-Darwinism must mutate to survive」ということを見出しました。

 

これらは、(ネオ) ダーウィニズムについての、タイトルにこの用語が使われている学術出版物のほんの数例に過ぎず、本文中で当たり前のようにこの用語を使っている多くの研究については言及していません。私自身の専門分野の例では、5つの大きな大量絶滅事象を特定したことで有名な古生物学者のデイヴィッド・セプコスキー (2012年) は、その著書『Rereading the Fossil Record』で「ダーウィニズム」という用語をあちこちで使っています。

 

 

上記の科学者のほとんどは名高い進化論主流派であり、「ダーウィニズム」という用語は現代の科学において時代遅れ、あるいはもはや使われていないと考える人は一人もいません。このことは、ダーウィニズムという用語を使うのは「創造論者」だけで、本当の科学者は使わないというファリーナの主張を完全に打倒するものです。私のウィキペディアのページを消去しようとたくらんで成功した、反ID活動家の仮想マフィアが支配する極めて無神論的なウィキペディアでさえ (ベンヤコブ、2017年; クリンホファー、2017年)、「ネオダーウィニズム」を死語とは考えていません。権威ある『ブリタニカ百科事典』も同意しています。

恥ずかしく、ぞっとすること

ファリーナはどうやら最低限のファクトチェックもしなかったようです。これは、科学教育者を自称する者としては恥ずかしく、ぞっとすることです。

 

しかし、ファリーナが言いふらしている誤情報はまだあります。次は、ケイシー・ラスキンに対する彼の批判と、人類の進化に関する化石記録について取り上げることにしましょう。