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ケイシー・ラスキン
2022/2/6 21:49
最近、ある人が私に、2016年のカーン・アカデミーの「Evidence for Evolution」というビデオのリンクを、時代遅れのジャンクサイエンスを子どもたちに教えているという情報とともに転送してきました。それは真実であることが判明しました。私は何年もの間多くのカーン・アカデミーのビデオを見てきました。時にはただ楽しむために、時にはそれらが教師が使うべき良いツールかどうか助言するためでした。一般的には、カーン・アカデミーは教師にとっても生徒にとっても同じように素晴らしいリソースです。しかし、「Evidence for Evolution」に関して言えば、生物学者のジョナサン・ウェルズが「進化のイコン」と呼んだもの、つまり、とっくに反駁された証拠の数々がインターネット上で健在であることを、カーン・アカデミーは示しています。
「Evidence for Evolution」のビデオは、私がこの投稿と続くいくつかの投稿で示すように、そのようなイコンの多くを熱心に再現しているように見えます。その中には、エルンスト・ヘッケルの悪名高い胚の絵や、脊椎動物の四肢の相同性、馬の化石、ヒトとチンパンジーの遺伝的類似性のイコンが含まれてます。実際、これらは進化論における彼らの論議の中心的なものです。カーンの名誉のために言うと、彼は確かに、ヘッケルの図のセクションの冒頭で断り文句を述べています。「少し注意しましょう」と彼は述べています。なぜならヘッケルの絵では、「論議を強めるために、図を少しごまかしているように見えるからです」。ビデオにこの断り文句が含まれているのは素晴らしいことですが、ではなぜ学生を教えるために不正確な絵を使っているのでしょうか？
「かなり正確に近い」？
カーンは不正確性をあまり気にしていないようです。なぜならすぐ後に、「しかし現代の観察でも、この絵はかなり正確に近い」と言っているからです。本当でしょうか？この図が「少し」だけごまかしが入っているとか、「かなり正確に近い」という考え方は、この絵の使用を厳しく批判してきた指導的な科学的権威者たちから否定されています。故スティーブン・ジェイ・グールドは、ヘッケルの研究を「詐欺」と呼びました。ヘッケルは「同じ図を何度も何度も複製しただけ」だからです。『Science』誌は、この絵によって「何世代もの生物学の学生が惑わされたかもしれない」と述べました。その記事は発生学者のマイケル・リチャードソンがこれを「生物学で最も有名な偽物の一つ」だと酷評したことを引用しました。『Science』が続けて説明していることによると、この絵は、
異なる脊椎動物の胚が同一の発生段階を経ていることを示している。しかし、胚が全く同様であるという印象は間違っていると、発生学者のマイケル・リチャードソンは言う。・・・リチャードソンは、最初に欠陥が判明したのが一世紀以上も前であるヘッケルの研究を、きっぱりと退けることを望んでいる。・・・リチャードソンと彼の同僚によれば、ヘッケルは特徴を付け加えたり省略したりしただけでなく、種間の類似性を誇張するために、サイズに10倍の差がある場合でもスケールをごまかしたという。
カーンは、胚の「初期段階」は「不気味なほど似ている」と言っています。しかし、ジョナサン・ウェルズ著『進化のイコン』から引用した下の図は、ヘッケルの胚と脊椎動物の胚の正確な絵とを比較しています。
カーンはさらに、この図が「これらの動物のすべてにある鰓裂の原型」を正確に示していると言っていますが、私が昨年「Do Human Embryos Have Gills?」という記事で説明したように、これは単純に真実ではありません。
唯一の明るい話題
ビデオのこの部分で唯一良かったのは、カーンが「個体発生は系統発生を繰り返す」という考え方が誤りであることを説明している点です。しかし、彼は胚の類似性は「生命が共通の先祖を持ち、同じような起源から来たことを示す説得力のある証拠」だと主張しています。もちろん、多くの生物は共通の青写真に基づいてデザインされているかもしれないので、「同じような起源」は必ずしも「共通の祖先」を意味しません。いずれにせよ、10月に『The Stream』で説明したように、脊椎動物の胚には著しい違いがありますが、カーン・アカデミーのビデオにそのどれかをほのめかすものはありません。
時々、進化の擁護者は、もう誰もヘッケルの胚を使っていないので、私たちがこれらの絵に言及するのは藁人形を攻撃しているようなものだと主張したがります。ええ、カーン・アカデミーがYouTubeにビデオを残している限り、これは藁人形ではないと明言できます。
次回は、このビデオで宣伝されているもう一つの誤った進化のイコン、脊椎動物の四肢の相同性について考えてみます。
